管理型臨床研修病院からの研修医受入
研修医制度が現行のものになってから、民間病院からの医師の引き上げによる医師不足が問題になっています。
待っていれば勝手に医局から医師が派遣される時代ではなくなりました。
研修医の待遇、指導体制に力を入れ、「研修したい」と思わせる病院作りや自らの病院で育てていく事を考えないと、病院自体の運営にも影響してしまいます。
当院では、2011年度より当院では毎月「順天堂大学病院」に所属する2年目の臨床研修医を受け入れています。
また、2016年度からは「聖マリアンナ医科大学病院」、2021年度からは「東京慈恵会医科大学附属病院」の受け入れを行っております。
地域医療研修の一環なのですが、外来診療、病棟管理、検査、手術、訪問診療、地域医療連携の重要性など、地域医療は医師以外のコメディカルや患者様はもちろん患者様御家族も関わっているということを学んでいってほしいです。
そして貴重な2年間の研修生活のお役に少しでも立てれば嬉しく思います。
順天堂大学医学部付属順天堂医院 臨床研修センター 初期臨床研修についてはこちら
聖マリアンナ医科大学病院 臨床研修センターについてはこちら
東京慈恵会医科大学附属病院 臨床研修センターについてはこちら
受入状況(実績)
年 度 |
順天堂 大学 |
聖マリアンナ 医科大学 |
東京慈恵会 医科大学 |
計 | ||||
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順 天 堂 医 院 |
浦 安 病 院 |
練 馬 病 院 |
静 岡 病 院 |
本 院 |
横 浜 西 部 病 院 |
葛 飾 医 療 セ ン タ ー |
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2011年 | 7 | 7 | ||||||
2012年 | 18 | 4 | 22 | |||||
2013年 | 12 | 8 | 20 | |||||
2014年 | 14 | 13 | 1 | 28 | ||||
2015年 | 16 | 12 | 4 | 1 | 33 | |||
2016年 | 19 | 13 | 7 | 4 | 1 | 44 | ||
2017年 | 18 | 15 | 4 | 4 | 2 | 43 | ||
2018年 | 14 | 13 | 12 | 6 | 1 | 2 | 48 | |
2019年 | 20 | 13 | 11 | 10 | 3 | 1 | 58 | |
2020年 | 23 | 15 | 10 | 12 | 3 | 2 | 65 | |
2021年 | 23 | 12 | 13 | 12 | 5 | 3 | 1 | 69 |
2022年 | 18 | 14 | 11 | 10 | 4 | 1 | 1 | 59 |
2023年 | 14 | 13 | 11 | 10 | 6 | 0 | 3 | 57 |
2024年 | 15 | 12 | 12 | 10 | 10 | 0 | 2 | 61 |
2025年 | 17 | 12 | 11 | 10 | 11 | 2 | 3 | 66 |
※2025年度については予定数となります。
臨床研修医の声
順天堂大学医学部(本院、浦安、練馬、静岡病院)、聖マリアンナ医科大学より地域医療研修で当院に着任された臨床研修医の先生方より、研修を終え、地域医療の大変さ、重要性など様々な事柄についてコメントを頂いておりますので抜粋してご紹介致します。
>2023年度はこちら >2022年度はこちら >2021年度はこちら >2020年度はこちら >2019年度はこちら
2024年度
順天堂大学・本院 福泉 慶 (2024年6月研修)
主治医となるのも初めの僕にとっては外来と病棟で何も起きないようにすることが精一杯で方針決定やdispositionの割り振りが後手に回り病棟や患者様やご家族を振り回してしまいご迷惑をかけることも何度かあったかもしれませんが、初めて医師になれたような不安と高揚感を持って毎日を送ることができました。多数の疾患を抱える高齢者への医療、そのご家族を含む社会調整、患者様背景や人生を探りながらの終末期の選択サポート、医療資源とガイドラインを照らし合わせなど、来る高齢化社会と対峙しなければならない我々にとっては身につけなければならないことを多く学ばせていただきました。迷う僕らを支えてくれた院長をはじめとする先生方、病棟スタッフ、コメディカルの方々に支えられて無事に1ヶ月を送ることが出来ました。ありがとうございました。

順天堂大学・浦安 罍 耀介 (2024年8月研修)
1ヶ月間大変お世話になりました。大学病院では指導医の方針を言われるがままに受動的に研修しており、自分の診療に自信を持つことができずにいました。しかし、島田総合病院では自分が主治医となり入院を決定し、治療、患者様の社会的背景に合わせて退院先を決定しました。治療方針、ICの仕方、退院先の決定など何をするにしても自分の実力不足を痛感し、日々学びの連続でした。数多くのスタッフの方が優しくご指導して下さり、患者様が退院できたときには大学病院での研修と比較にならないくらいの達成感を感じることができました。「医学的に正しいことが地域医療において正しいとは限らない」という院長の言葉が印象的です。これからも、その視点を忘れずに「患者様とその家族にとって何が幸せなのか」を第一に考えて医師人生を歩んでいきたいと思います。この1ヶ月間、とても楽しく充実した研修を送ることができました。ありがとうございました。

順天堂大学・静岡 矢田 昌敬 (2024年8月研修)
1ヶ月という短い期間ではありましたが、島田総合病院の皆様にはお世話になりました。普段所属している大学病院では指導医が主な方針を定め、それに準じて指示を仰ぎながら治療を行っていくことがほとんどではありましたが、島田総合病院では主治医として外来などで初対面の患者様を診察して、入院を含めた治療方針を決め、入院中はもちろん退院後の生活も含めた医療を提供するという貴重な経験をさせていただきました。当然最初は慣れずに戸惑うことも多くありましたが、先生方と病棟や外来の看護師さん、クラークの方々のサポートや助言も頂きながら治療を進めていくことができました。本当にありがとうございました。主治医として治療を進めていくなかで、患者様や家族とお話をすることで様々な意見や環境の違いがあることを目の当たりにし、大学病院のようにあらゆる治療を提供することだけが良いことではないということも感じることができました。この1ヶ月間でこれまでの研修では学べなかった視点を学ぶことができたと思いますし、島田総合病院で研修することができてとても良かったなと感じております。改めまして1ヶ月間大変お世話になりました。ありがとうございました。

順天堂大学・静岡 郡司 隆教 (2024年9月研修)
島田総合病院の皆様には本当にお世話になりました。島田に来る前は頭では分かっていても「病気」を診る習慣がついており、患者様一人一人の生活背景までは考えていませんでした。しかし、今月は初めて主治医として患者様が入院してから退院するまで治療に関わることができ、今までとは異なる視点から医療に携わりました。同じ病気でも患者様によって正解が全く異なることを実感し、「患者」を診るということがどういうことか少し理解できた気がします。患者様の訴えに耳を傾け、時には医学的には正しくない治療を行うことも正解となり得ることを学び、自分の中の世界観が変わったことを感じます。仕事では外来をしながら病棟管理を行い、時には逃げたくなるくらいつらいときもありました。それでも上級医や看護師、クラークさんなどにも助けていただきながら必死に食らいついて患者様と向き合う日々は、かけがえのない経験になったと心から感じます。来月から大学に戻り、大学病院としての医療を提供する日々が始まります。しかし、今月目にしたものをどこか心の片隅に置いておき、「患者」を診る医師になれるように精進します。改めて1か月間ありがとうございました。

聖マリアンナ医科大学・本院 有山 虎男 (2024年9月研修)
5週間と短い期間でしたが、島田総合病院すべての職員の方々にお世話になりました。心から感謝いたします。反省点もありましたが、ある程度やりきったと自負しております。島田総合病院にて気付かせていただいたこととして2点あります。1点目は自分が今まで当たり前だと思っていたものは、だれかがしてくれている特別によって成り立っているものなのだなと感じました。だからこそ全てのことに感謝を持って今後も医療に従事していくことが重要であると感じました。2点目として、島田総合病院で研修した際初めてお会いした患者様から言われた言葉があります。「病院はさみしいよ。できるだけ会いに来てほしい。」という言葉は心に刻んでおきます。今後も常に患者様に親身になれる。本当の意味で優しさのある医師になるよう精進していきます。ちょーぴー最高。

順天堂大学・本院 笹野 理 (2024年10月研修)
試練無知との戦いでした。日々、壁に当たる度、これまでの仕事に対する怠惰や欺瞞が負債のように逃げ場なく押し寄せてきたのです。目の前の患者様の病態・社会的背景に一つひとつ丁寧に向き合うことが大切でありますが、ぬるま湯で飼い慣らされた私にとっては容易なことではありませんでした。反省に次ぐ反省の日々の中、困難に直面する過程で苦労しつつもこれまでの倦怠な研修の中で失っていた誠意と忍耐を持って学ぶ姿勢を再び呼び起こされました。都会の喧噪に疲れていたこともあり、島田総合病院の暖かいスタッフの方々と銚子の素晴らしい景観は心の回復にもなりました。たくさんご迷惑をかけたと思います。医療者としての覚悟と責任を教えてくれたこの地を記憶の中に刻み、怠惰なる自分とこれからも逃げずに格闘していきます。1ヶ月間でしたが、院長先生及び上の先生方、病棟のスタッフさん達にはお世話になりました。ありがとうございました。

順天堂大学・浦安 浅霧 巴南 (2025年2月研修)
自身の研修病院では経験できないことを恵まれた環境で行うことができました。チーム制の医療しか経験していない中で、突然の主治医制。しかも入院から治療方針、退院調整まで自身の判断で決められるのは、医師としてのやりがいを感じつつも責任と無力感に苛まれることも多かったです。それでも、自身の患者様に治療を行い退院させることができたのは、周りの先生や看護師さんや技師さんの全面的な協力なしには実現できなかったと痛感しました。研修医が終わり医師として独り立ちをする前に、地域医療という大学病院とは違った環境で医療への向き合い方を考え直す経験を与えてくださり感謝しかありません。同じ病態でも周囲の環境や自身の希望で、最適な治療やゴールは変わっていくのだと再認識することができました。この1ヶ月で得たことを自身に刻み込み、誇れる医師になろうと日々邁進する所存です。
最後になりますが、島田総合病院に関わる皆様のおかげで日々めげずに過ごすことができました。
本当にありがとうございました。
